近衛家0



近衛家(婿養子)のちびズに至る前
こんな拍手シリーズがありました
これが、ちびズの前駆体です
全八話になります







「本体〜」

「どうした?ちびせつな」




【ちびせつなの望み〜妹が欲しいんです〜】




「わたしの親は本体なんですよね〜?」

「親・・・私の式神だから、間違ってはいないな」

「明日菜さんが言ってた通り、本体はわたしの父上なんですね〜?」

「父う・・・!?」

「父上〜、お願いがあります〜」

「父上って呼ぶな・・・。それで?お願いって何だ?」

「姉妹が欲しいです〜」

「姉妹?妹が欲しいのか?」

「はい〜」

「まあ、お前の他に式神を作ることは可能だが」

「あ、ちょっと待ってください〜」

「何だ?」

「わたしそっくりな妹が出来ちゃいますよね〜?」

「私が作るんだから、そうなるな」

「わたし、木乃香お嬢様似の妹が欲しいです〜」

「ブハッ!?」

「ぅあ〜、父上ばっちぃですよ〜」

「父上って呼ぶな!お前が変なことを言うからだろう!お、お嬢様似ってどういうことだ!!」

「絶対可愛いですよ〜」

「そ、そういう問題ではなくてだな・・・・第一そんな式神はお嬢様しか作れないだろう・・・」

「あ〜・・・・じゃあわたしお嬢様に頼んできます〜」

「あ、こら!待てちびせつな!!」














「何でダメなんですか〜?」

「と、とにかくダメだ」




【ちびせつなの望み〜納得できないんです〜】




「お嬢様似の妹が欲しいです〜」

「わがまま言うな」

「父上〜」

「・・・父上って呼ぶなと言ってるだろう・・・」

「いも〜と〜・・・」

「ダ・メ・だ」

「ふ、ふえ〜〜んっ」

「ち、ちび・・・」

「ぅえ〜んっ」

「な、泣くな、ほら、いい子だから・・・」

「ぅ〜、ひっく」

「ああもう・・・・ケーキ買って来てやるから、な?」

「けーきぃ・・・?」

「ああ、お前が好きなやつを。だから泣くな・・・」

「ぅ゛〜〜・・・わかりました〜・・・」

「はぁ・・・」

「でも、妹は諦めません〜・・・」

「な゛っ!?」

「お姉ちゃんになるんです〜・・・」

「だからちびせつな・・・ダメだと・・・」

「ぅう゛〜〜〜〜・・・」

「・・・・・ケーキ、買って来ないぞ」

「卑怯です父上〜!!」

「だから、父上って呼ぶな!」













「なぁ、せっちゃん。ちびちゃん喚んでくれへん?」

「え゛」




【ちびせつなの望み〜チャンスなんです〜】




「ん?どないしたん?」

「いえ、な、何でもないです」

「そ?」

「あの、お嬢様、今ちょっと・・・」

「せっちゃんとちびちゃんと一緒に食べよ思て、お菓子作ってきたんよ♪」

(だ、だめだ・・・・・“召喚しない”なんて言える雰囲気じゃない)

「せっちゃん?」

(だが今ちびせつなを出したら十中八九、“式神作ってください〜”なんて言うに決まってる)

「せっちゃん!!」

「わひゃいっ!」

「もう、ボーっとしとらんで、ちびちゃん喚んで?」

「は、はい・・・」

「ん、ありがとな」

(ああもう、何か言い出そうとしたら止めるしかないか・・・)

ポンッ

「御用ですか〜?」

「久しぶりやねぇ、ちびちゃん」

「お嬢様〜っ!」

「ちびせつな、“式神”という言葉は今日から禁止だ」

「ひ、ひどいです父上!」

「式神?父上?」

「お気になさらずに・・・・。ちび、父上って呼ぶな」

「でも甘いですよ父上〜。その単語がなくてもわたしは茶々丸さんからいろんな“ぼきゃぶらりー”を手に入れているのです〜」

「なっ!?」

「今こそせんざいいちぐーのチャンス!」

「何なん?」

「お願いがありますお嬢様!」

「ちび止めろ!!」














「お嬢様!」

「何?ちびちゃん」

「女の子を作ってくださいっ!!」




【ちびせつなの望み〜直談判なんです〜】




「・・・・・・へ?」

「コラちび!何てことを!!」

「父うもがっ!」

「ちょっと黙ってろ!」

「女の子・・・」

「申し訳ありませんお嬢様!今のことは忘れてください!」

「・・・・ネギ君やエヴァちゃんに魔法教えてもらうとかせなあかんよね・・・あ、超さんと葉加瀬ちゃんに頼んでもええか・・・」

「はい?」

「でも、性別選べるんかな・・・」

「何の、ですか・・・?」

「その、うちも女の子がええんやけど・・・」

「何が、ですか・・・?」

「せやから、せっちゃんと、うちとの・・・・・赤ちゃん」

「あk▲※○%■&ーッ!?」

「だって、ちびちゃんが女の子作って言うたやん・・・」

「違っ!そう言う意味では!!」

「ふぇ?違うん?」

「違います!!第一、あ、赤ちゃんなどと・・・・む、無理ですよっ!」

「魔法とかあるんやからこの際何でもありやと思うけど・・・・せやったらどない意味?」

「う゛」

「?」

「もがもご〜」













「ちびちゃん、妹欲しかったん?」

「そうです〜」




【ちびせつなの望み〜タッグで交渉なんです〜】




「要するに、うちが式神作ればええんやろ?」

「お願いします〜」

「可愛いちびちゃんのお願いやから、ええよ♪」

「やた〜☆」

「あとは・・・・」

「そうですね〜・・・・」

「絶・対。ダメ・です」

「父上〜・・・」

「父上って呼ぶな。教えませんよ、式神の作り方なんて」

「ダメなん・・・?」

「ぅ。ダ、ダメです」

「どうしても・・・?」

「っ。上目遣いで頼んでも、ダメ、です。こればっかりは」

「父上のケチ〜」

「父上って呼ぶな」

「何でダメなんよー」

「気の使い方が難しいですし、何より式神を作る必要はありません」

「ぷー・・・」

「それにお嬢様がそのようなことをなさらずとも、私がお護り致します」

「せっちゃん・・・」

「・・・・父上〜」

「まだ言うか・・・っ」

「お嬢様を護ることと、私が妹欲しいって言うのと、関係あるんですか〜?」

「バッ、言うなっ!」

「・・・・せっちゃん?作り方教えて」

「ダ、ダメ、です」

「せっちゃん!」

「父上!」

「教えません!!」














「どうしても教えてくれへんかったね・・・」

「そうですね〜・・・」




【ちびせつなの望み〜切り札なんです〜】




「何であんなにダメ言うんやろ」

「父上、娘が増えるのやなんでしょうか〜・・・」

「そうやない思うよ、ちびちゃん」

「そうですかね〜・・・」

「他に式神の作り方知ってる人居らんかな?」

「あの紙作れるの、父上しか居ませんよ〜」

「龍宮さんとか楓さんはどないやろ?」

「たぶんダメです〜。陰陽道使える人じゃないと〜」

「せやったらダメやね」

「どうしましょ〜?」

「うーん・・・」

「う〜ん・・・」

「あ」

「お嬢様〜?」

「陰陽道使えれば、作り方知ってるんよね?」

「はい〜。式神の作り方習ってるはずですから〜」

「灯台下暗しやった・・・」

「とーだいでもくらし〜?」

「灯台下暗しやて、ちびちゃん」

「?」

「近くに居たんよ。陰陽道たぶん使える人が」

「誰ですか〜?」

「ふふ、内緒」

「ずるいです〜」

「よし、ちびちゃん。電話掛けよか」

「電話〜?」















「父上っ!」

「だから父上と・・・・ってちびせつな、お前何慌ててるんだ?」

「妹が出来るんです!」

「はぁっ!?」




【ちびせつなの望み〜妹誕生なんです〜】




「お嬢様!どういうことですか!!」

「あ、せっちゃんいらっしゃーい」

「あ、お邪魔します・・・・じゃなくてっ」

「お嬢様〜、どうですか〜?」

「あとは喚ぶだけや」

「やた〜♪」

「お嬢様!誰が式神の作り方を教えたんですか!!」

「お父様」

「え、詠春様・・・・ッ!?」

「“そうですか、木乃香が式神を・・・・構いませんよ、頑張ってください”って教えてくれたんよ?」

(そうですよね詠春様・・・可愛い一人娘ですからね・・・・・頼まれたら断れませんよね・・・)

「それで頑張って練習して、やっと喚ぶとこまでいったんよ」

「上手くいったら詠春様に写真送ってあげるんですよね〜」

「四人の写真撮ってな♪」

(でも、でもっ・・・止めてほしかったです・・・)

「ほな、召喚するえー?」

「いっもうと☆いっもうと☆」

(ああ、もうどうにでもなれ・・・・)

ポンッ

「・・・・ふぇ〜?」














「ちびこのか、うちが喚んだんやけど・・・わかる?」

「本体や〜、わかるえ〜」

「妹です〜!!」

「きゃあっ!」




【ちびせつなの望み〜お姉ちゃんなんです〜】




「ちびちゃん・・・・やと区別付かへんな。ちびせっちゃん、抱きつくんはええけど苦しそうにしとるよ?」

「あ、ごめんです〜」

「ええよ〜」

「本当に妹が出来ました〜♪」

「うちが妹〜?」

「そうですよ〜。父上見てください〜、妹です〜!可愛いですよ〜!!」

「ああ、よかったな・・・・可愛いな、うん・・・・もう父上でも何でもいい・・・」

「やた〜!父上許可です〜!!」

「パパなん〜?」

「そうですよ〜」

「せやったらうちの父様やね〜」

「父さ・・・っ!?」

「じゃあ、お嬢様は母上ですね〜」

「母様やね〜」

「あやー、うちいきなり二児の母になってもうた」

「母・・・っ!?」

「ほな、家庭円満なとこ見せんとあかんよね」

「ぅわぁっ!!」

「らぶらぶですね〜」「らぶらぶやね〜」

「は、放してくださいお嬢様っ」

「パパがママのことそないに呼んだらあかんよ?あ・な・た♪」

「だ、だから・・・・この状況に悪ノリしないでくださいーっ!!!」




ちび望、完

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