もしも



※注釈
源氏物語読んでたんスよ。
そしたらこれ出来たんスよ。
何を言ってるかわからないって?
あはは、私もわかんない。




とってもめんどくさく、かつざっくりな説明!!

何か色々あってはじまりの事件より闇の書事件の方が先に完結。
その際になのはさんがレイハさんを入手。
はじまりの事件がないのでフェイトさんが出てきてません。
なのはさんとはやてさんはその頃から幼馴染。
二人は中学生(15歳)です。
ほいで、何か色々あって紆余曲折で、はじまりの事件開始。
フェイトちゃんはもちろんジュエルシード集めのために奔走するけど、対立したのはほとんどが本局の武装隊数名で各個撃破。
なのはさんと対峙したのは、一度目一瞬逢っただけ。二度目フェイトちゃんジュエルシードを持って逃亡、三度目撃墜されかけてアルフさんにより救出、四度目に撃墜されて確保されそうになったところにプレシアさんの追いうちを喰らってさらに強制転送。その後は逢ってません。
色々と感情的に足りない感じのフェイトちゃんです。
フェイトちゃんは9歳です。9歳です。大事なことなので二回言いました。9歳です。三回目です。
最終的に次元震の件で、プレシアさんの確保に向かったのがなのはさんとはやてさんと他数名。しかし逮捕には至らず、プレシアさんは虚数空間へ。
アルフさんは重症により管理局で隔離治療中。ほいで、フェイトちゃんは最後にプレシア母さんから事実を告げられてはいるけれどアースラで拘束されてはおらず、プレシアさんにより地上研究所に監禁。
F.A.T.E計画のために設えられた設備、保護ポットに、アリシアちゃんのように隔離されていた。
なんという私得設定。
もういっそパロ。

ご都合主義で、ゴー!!!!!







空気が抜ける音を立て、重厚な扉が開きました。
入室した者の存在を感じ取ってか、パイプのような誘導灯が床を這います。
薄い緑色に照らされた室内。
本局の局員たちが残された資料を確認する中、研究所の奥へと足を踏み入れるのは二人だけ。
扉をいくつかくぐり、行き着いた先には保護管理ポッドがいくつも並べてありました。

「ここ?」
「せやな」

そのほとんどが空でしたが、一番奥のポットにのみ保護液が満たされていたのです。
保護液に胎児のように身体を丸めて浮かぶ、金の髪を靡かせる少女。
繋がれた計器が示すのは鼓動。どうやら維持のための電力が尽きる前に辿り着くことが出来たようです。
その少女を見て瞳を細めた人は、こつりと保護ポッドにデバイスで触れます。

「割ってもいい?」
「ちょお待ち、水浸しにする気かいな」

その姿に溜息をついたもう一人が繋がれた機械に視線を落とし、操作をしてしばらく。
小さな音と共に徐々に減る保護液と、それに伴いポッドの下方へと沈みゆく少女。
やがて保護液がなくなり、くたりとポッド壁へ凭れる少女は、いまだ瞼を上げることなく。

「あー、ロック解除はーっと」

ゴドンッ

モニターに視線を走らせていた人が穏やかではない音に首を回せば、ポッドの表面が切り取られて転がっていました。浮かぶ桜色の光球と、デバイスを構えた親友。

「何しとんねん」
「あはは、ごめん、待ってられなかった」

笑顔の人にこめかみを抑えつつも続けざまに鳴り響いたエラー音を止めて、二度目の溜息。
自身が切り開いたポッドの壁から身を乗り出し、その人は少女に近づきます。
少女の頬に掌を添えて、雫を垂らす金色を避けて顔を上げさせれば、薄らと開く瞼。
紅。

「おはよう、フェイトちゃん」

それを蒼で受け止め、その人は微笑みます。

「おいで」

反応の薄い少女を、濡れることを厭わず抱き寄せて、BJの要領で創り出した布で包みます。
その小さく華奢な身体を抱えて、じっと見詰めてくる紅に、一言。

「私と、行こうか」

その言葉に瞼がまた下ろされ、紅が隠れました。




















「やからAMF付きの部屋にしとけ言うたんやあのアホどもが!」
「そんなこと言ったって今更しようがないよ」

八神はやて特別捜査官と高町なのは戦技教導官に緊急招集がかかったのはその翌日のことです。
招集場所は管理局医療隔離区画。二人が保護した少女がいる病室の前でした。

「デバイスなしでも魔法使えるのなんてわかっとるやろ!」
「うちの局員歯が立たなかったもんねぇ」
「鍛えてやり! きつぅく!」
「うーん、大変そう」

そんな会話を繰り広げながら歩を進め、目の前に、病室の扉。
周りに屯する局員、警護にあたっていた捜査官に二人は視線を向けます。

「状況説明」
「っは! 本日1000より検査を開始し……」
「簡潔にな?」
「……っは! 重要参考人が魔法を行使し、病室に入れない状況です!」
「言ってて悲しくならへん?」
「……」
「はやてちゃん、いじめないの」

齢九つの少女の魔法と言うなかれ。
推定で空戦ランクAAA、儀式魔法まで行うほどの魔導師の施した防御結界魔法に一人で太刀打ちできる隊員がどれほどいるのでしょうか。
扉を開くことはなんとかできたのか、開け放たれたそこから見える病室。
猫の瞳を思わせるスフィアが室内には幾つも放たれ、部屋の四隅にあるものからは結界が張られていました。
バチリと大気を震わせるのは、稲妻。高エネルギーのものであることは、見るも明らか。
これは確かに、並みの魔導師では突破は難しそうです。
かといって無理矢理にでも突破すれば病室の破壊に飽き足らず、さらなる暴走まで危惧されます。
頼みの綱である少女の使い魔は未だここまで足を運ぶことが難しい状況。さてどうしようかと首を捻るはやてさんの隣、その人が開け放たれた出入り口に近づきます。
バチリ。威嚇のように閃く雷を気にせず、なのはさんは病室の中、白いベッドに埋もれるように蹲る少女を真っ直ぐ見詰めていました。

「フェイトちゃん」

少女の名を、呼びます。
華奢な肩が震え、ゆるゆると持ちあがった頭。
少女、フェイトさんがゆっくりと視線を上げて。

「私のこと、わかるかな?」

蒼を、見つけます。
ぼぉっと見詰めてくる紅に微笑み、なのはさんはたゆたうスフィアを示しました。

「通してくれる?」

その声に呼応するようにスフィアが出入り口からベッドまで、まるで整列するように並びます。
なのはさんが一歩踏み出し、局員たちが驚きの声を漏らす中、果たして雷光は轟くことはありませんでした。
猫の瞳がぎょろぎょろと動き、映すのは、なのはさん以外の人たちだけでした。
さしてかからずベッドまで近づいたなのはさんは、その縁へと腰掛けます。
手を差し伸べるなのはさんに対し、フェイトさんの肩が跳ね、同時にスフィアが細い雷光を発します。
ぎゅっと瞑られた瞼を見ながら、下から掬うように、なのはさんはその白い頬に掌を添えます。
あの時のように。
震えた瞼は上げられ、紅は蒼を映します。

「私はなのは。高町なのは」

自身の名を告げ、なのはさんは小首を傾げました。
なのはだよ。続けて重ねれば、瞬く紅。
シーツを手が白くなるほど握り、小さく紡がれる声。

「なの、は」
「うん」

僅かな感情の揺れを見せた目。目元を指先で撫でて頷けば、もう一度紡がれる言葉。

「なのは」
「うん、そうだよ」

その頃、病室の前には総務統括官と艦隊提督の姿がありました。
二人が室内に進もうとするのを窘めたのははやてさんで、その表情は穏やかに、首を振って、なのはさんを示します。
任せておいた方が、いい、と。
その二人が来ていることを念話で知りつつも、なのはさんは微笑みます。

「大丈夫だよ。ね?」

フェイトさんの小さな手に、己の手を重ねて。
大丈夫。大丈夫だよ。大丈夫だから。
繰り返して、頬を、手を、ゆるりと撫でて。

「フェイトちゃん。皆、フェイトちゃんに色んなこと聞きたいんだって」
「……うん」

優しく言い聞かせるように、けれど強制もせずに、なのはさんは紅い瞳を見詰めていました。

「だから、少しだけ魔法止めて、お話しよう?」
「うん」

頷きと共に、スフィアが消え去りました。
部屋の外へ視線を向ければ、笑って頷いてくれるはやてさんと総務統括官、そして安堵の息を漏らす艦隊提督と他の局員たち。
少しだけ苦く笑い、フェイトさんへと微笑みます。

「いいこだね、フェイトちゃん」
「……なのは」
「うん」
「なのは」
「なぁに?……お話の時、一緒にいた方がいい?」
「……ひとりで、平気」
「そっか」

なのはさんは金色の頭を一度だけ撫でて、やってきた総務統括官へと、頷きました。



















医療区画を過ぎた廊下。
そこを往く二人。

「リンディさんなら大丈夫だね」
「せやね、クロノくんやったらちょっと心配やったけど」

穏やかな微笑を湛えたその人に後を任せ、なのはさんとはやてさんはあの場から離れていました。
万が一のことにも備え、艦隊提督である人が、少女への心配からしかめられた表情で病室の外に待機しているはずです。
そんな顔しているのなら、外で待ってなさい。怖いわよ。母であり上司である人の言葉です。
その光景を思い出して笑う二人。
はやてさんはそうそう、となのはさんに問いかけました。

「いつから子守スキルなんて手に入れてたん?」
「そんなんじゃないよ」

からかうようなそれに苦笑を返し、なのはさんの脳裏に巡る紅。
紅い、色。

「はやてちゃん」
「んあ?」

この後ランチでも、なんて言っていた親友に、本当に何気なく、もしかしたら自覚がないほどさらりとなのはさんは呟きます。

「あの子、もらえないかなぁ」
「はあ?」

はやてさんの間の抜けた声が、響きました。








続かないよ!!



なのはさんのなのはさんによるなのはさんのためのフェイトちゃん育成計画、はっじまっるよーお!!!
無垢な少女をカスタマイズ!! 自分好みにグロウアップ!!
そう、これこそ光源氏計画!!!


あっ、はい、ごめんなさいでした。

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