女子高生と大人



パロる。
私が書いてるいつものような性格の子らではない可能性が微レ存ですよ。
それでもいいっていうならどうぞ!


23なのはさんと、17フェイトさん。
フェイトちゃん可愛いなぁ積極的と、なのはさん好きです消極的。
素晴らしい……。


ところでこれとある方のイラストを見て考えました。
ていうか台詞を許されざるまるパkインスパイア☆
わかった方がいたらとある方のとこで拍手を連打してきてください。連打ね。連打。誠心誠意連打。


怒られたら消すお……。


















その色を見つけて、見間違えでないことを確信し、尻尾のように揺れるそれを追いかけた。
さっきまで仕事の疲れで引き摺りかけていた足取りが嘘みたいに、スキップ交じりの駆け足。
カツンとヒールの音を立てて、振り向きかけた金色を。

「フェーイートーちゃんっ!」
「きゃあ!」

後ろからハグ。













「な、なのはさん、心臓に、悪いので、やめて、ください……」
「いやです」
「……」
「だってフェイトちゃん可愛いんだもん」
「……」
「あは、困ってるのも可愛い」
「……意地悪です」

からかいすぎたのかちょっと不機嫌なフェイトちゃんの隣に並んで夕暮れの街を往く。
おずおずと恥ずかしがりながら初めましての挨拶をしてくれた九歳の女の子が、今はもう十七歳。
綺麗な子。第一印象はそのままに、ちょっとやそっとじゃ見つからないくらいの美人さんへと成長した実家近所の子。
ほら、背までいつの間にか私を越えてしまって、もう簡単に頭を撫でることもできない。撫でるけど。わしゃわしゃするけど。

「今日、早いんですね」
「うん。さらにフェイトちゃん見つけてちょっとテンションあがっちゃった」
「私も、久し振りに会えてうれしいです」

久し振り。その言葉に少しだけ寂しくなる。
高校まではフェイトちゃんが可愛すぎて遊びに散々連れまわしていたのに、大学に入って一人暮らしを始めてからフェイトちゃんと会う機会がとてもとても減っていた。就職してからはそれに拍車がかかり、たぶん、会うのは一カ月ぶりとか、そのくらい。
いつでも遊びに来ていいよ、と言ってはいるものの、たぶん遠慮しているのだろう。フェイトちゃんが私の家に来たことはない。
もちろん、今日みたいに帰宅が重なることもなく、私との帰路も。そう考えて思い至る。

「フェイトちゃん、こっち通学路じゃないよね?」
「えっと……」

何気なく足を進めていたけれど、こっちは私の家の方向。そこでさらに思い至る。フェイトちゃんはたぶん、私を家まで送ろうとしていた。私の方が大人なのに。いつの間にかとても大人びた表情で笑い、学校では王子様なんて呼ばれるようにしまった昔馴染みの女の子は、視線を泳がせる。
教えなさい。見上げれば、観念したように苦笑いを浮かべた。

「海を、見に行こうと思ったんです」
「海鳴公園?」
「はい」

そういえば、アルフの散歩でよく行っていた場所。
ずっと行っていない場所。
急に、懐かしくなった。

「じゃあ、行こっか」
「え?」

瞬きしたフェイトちゃんに笑って、その手を繋いだ。












潮騒と、海鳥の声。
薄い橙色に染まり始めた海原。

「ここは変わらないね」
「そうですね」

夕御飯の準備時。あまり人はいない。
海を沿うように並んで歩く。

「あの、そろそろ、手……」
「えー、いいでしょ?」
「……でも」
「ちぇー」

八の字眉に、どさくさにまぎれて繋いだままだった手を放す。私だけが握っていたそれは、簡単に解けてしまった。
少し低めの体温が離れて、どうしてか、急に手が寒くなった。誤魔化すように、後ろ手に鞄を両手で持つ。
見詰めた橙色は、少しだけ色濃くなってきていた。もうすぐ、赤い色に染まり上がるだろう。
あかいいろ。
口端が緩む。

「初めてここに連れてきた時、きらきら目を輝かせてたフェイトちゃん可愛かったなぁ」
「そ、そういう話はいいですから……!」

昔話をすると、フェイトちゃんは決まって俯いた。
すぐにその話を止めさせようとも、する。
恥ずかしいらしい。私にとったらフェイトちゃんを語るに欠かせない要素なのに。
振り向けば、鞄を持っていない方、さっきまで私と繋いでいた手で、顔を仰ぐ姿。
立ち止まってその頭に合わせるように、掌を掲げた。同じく立ち止まっていたフェイトちゃんの目が丸くなる。

「あーんな小さかった女の子が、今はもうこんなにおっきいんだもんね」
「背だけはなのはさんに勝てます」
「あー、生意気だぁ」
「ずっと、ずっと、勝ちたいって思ってたんですよ」

目元を緩めて、少しだけはにかんだ表情。
実家にたまたま戻っていた日。身体測定が終わったその日に、その結果を手に突撃してきた中学生。
身長の項目を指差して、越しました、ちょっとだけ得意気に言ったのを忘れない。ついでに見えた他の身体測定項目についても忘れない。
いつの間にかモデル体型になっててお姉さんびっくりしました。
というのは、いいとして。
どうやらフェイトちゃんは身長については譲れないものがあるらしい。
そいうところも、可愛い。

「いいんですか? せっかく早く帰れるのに」
「いーの。気分転換、気分転換」

再び足を進めて、高台までやってきた。
高いコンクリートの壁が、影を作って私たちを覆う。
鞄を纏めて置いて、見下ろす水面は、橙色から赤色のグラデーション。
心配性なフェイトちゃんに、変わってないと思いながら笑う。

「大丈夫だよ。フェイトちゃんに会えたし、こうやってちょっとデートも出来るしね」

ほら、少し頬を染めて、どう言ったらいいかわからないって顔。
大丈夫とは言ったものの。苦笑い。

「でも、さすがに疲れたまっちゃってるかも」
「マッサージとか、行ったらどうです?」
「うーん、ああいうの好きじゃないんだよね」

確かに疲れはとれるだろうけど、知らない人に触られるのは苦手だ。
両方を天秤にかけて傾くのは後者。
自分でマッサージしたり、ストレッチした方が、いい。
かといって自分でするのも限度があるわけで。
ふと、思う。

「あっ、でも、フェイトちゃんにならいいかなー」

そうだ、フェイトちゃんだったら。
さっき触れていた手のぬくもりを思い出しながら、まさかやってとお願いするわけにもいかないけれど、してくれるならフェイトちゃんが良いな。なんて、思う。
私はその言葉を、フェイトちゃんを見ずに音として出していた。
その時のフェイトちゃんの反応を、知らずに、居た。
もし、見ていたとしたら、どんな表情をしていたのか。

「ね、フェイトちゃん、今度の休みにお買い物に」

振り向こうとした私に、風が、匂いが掠る。
気配に圧迫されたみたいに、無意識に背中が壁に着いた。
顔の横に、両手。壁と、両腕と。

「フェイト……ちゃん……?」

貴女で出来た壁に、私は居た。
いきなりのことに声がうまく出ない。心臓が驚いて、跳ねた血流が頭の中がごちゃごちゃにする。
なにより、俯いて、金色に隠された表情が見えないことが、一番怖かった。
やっと、耳に届いたのは、重く、短い、吐息。
至近距離。顔が、上げられる。

「お願いだから……」

紅い瞳を不安に染めて初めましてと挨拶をしてくれた九歳の女の子は。

「私の前であんまり無防備にならないで……」

私より背が高くなり、私の知らない所で成長し、今、見たことのない感情を込めた紅い瞳で、苦しげにそう言った。






続かないよ!



この後短く謝罪を残して去って行ったフェイトちゃんに、混乱しちゃって帰宅後親友のはやてちゃんに連絡したらやっと気付いたかこのボケがとか辛辣な言葉を投げつけられてさらに大混乱に陥ったなのはちゃんって最高じゃないですか。
そして始まるぎくしゃくした関係からの、年下を翻弄する年上と思わせての年下に翻弄される年上である。
何が言いたいかって普段敬語で時折ため口っていいよねってことですよ。
学校での王子様の相手が大人な年上って素晴らしい、素晴らしい!!!
ヴラーヴァ!!!!!!

ごめんなさい先生方……罵りは甘んじで受けます……。

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